公立大学法人 福島県地域医療支援センター

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公立大学法人 福島県立医科大学地域医療支援センター

Recruitment of instructors and specialists Interview

指導医・専⾨医インタビュー

地域医療支援センター特任教授 川前 金幸 先生

地域医療支援センター特任教授

川前 金幸先生

勤務先太田西ノ内病院 特任病院長

福島県で勤務するに至った経緯を教えてください。

山形大学医学部を定年退職し、福島医大の竹之下理事長から紹介いただきました。
もともと福島医大卒で麻酔科、救急科を経て山形大学救急科、麻酔科へと異動しました。22年間山形で過ごしました。昨年、福島県に戻って支援するようにとのご依頼を頂き、郷里でもある郡山市に再就職させて頂きました。

実際に生活・勤務して、福島はいかがですか。

(医療現場は)医師が不足している状況が見て取れました。国立大学法人とは異なり、研究中心から臨床、教育、そして病院の運営にもあたっています。
職場環境は、かつての福島医大の同僚、他科診療科にも後輩、先輩が院内に多数勤務されており、懐かしさとよしみを感じつつ、とても働きやすい環境です。
一方、世間では地域医療構想や働き方改革が進んでおり、改善の方向にあり、今後、様々な改革や変化がやってくるものと期待しています。

(生活環境は)もともと郡山市出身ですので、医師のみならず旧知の仲間もたくさんおり、生き生きと働かせて頂いております。

医師を志した動機、現在の診療科を選択された理由を教えてください。

在学中に学んだ知識を生かすには、何をするかを考えた40年前に、これからは予防医学だ!と思いました。治療は予防に勝ると言っていました。今もそうだと思います。その予防医学を修めるには、やはり人体の疾病や病態を知り尽くさないと予防医学には到達しないと考えました。そこで、なんでも診れる診療科は何かと見回しました。
小児科と麻酔科が浮かんできました。小児科にも興味はありましたが、、、。
福島県立医科大学の麻酔科は、かつて麻酔・救急・集中治療・ペインクリニックと麻酔科関連領域すべてに関与し、各科の患者を相手に、手術という侵襲が加わる状態から患者を守るという「芸術」を目の当たりにしました。そして、その人材の育成に尽力されておりました。そこで、まずは何でもできる医師、オールマイテイな医師になって予防医学をやろうと麻酔科を選びました。
まだ当初の目標は達成されておりませんが、、、(笑)。

指導医として心がけていることはどのようなことでしょうか。

かつて、22年前に山形大学の救急医学講座の初代教授に就任した際には、「教育こそすべて」の勢いで、なかば強制的にこちらの教えるべきことを教える!という姿勢で取り組みました。半強制的と言ってもよかったと思います。しかしながら、ゆとり世代が入学してくるにつれて、こちらのペースで教育や指導をしていると、落ち込む学生ややる気を失せる学生が徐々に増えてきました。その頃は何が悪いのか?わかりませんでした。
その後、パワーハラスメント、アカデミックハラスメントなる用語が出てきたことを記憶しています。その時に、一人一人の学生や、研修医、そして同僚に合わせた教育、指導をする時代なのだ!ということを悟りました。これが約10年前くらいでしょうか?
それ以降は、テーラーメイド!いわいる一人一人の相手に合わせて、教育指導を進めるという姿勢に変えました。一人一人のバックグラウンド、知識や経験のボリューム、そして価値観も多様化し、また積極的な方、消極的な方、能動的な方、受け身的な方、性格も様々です。基本的に到達目標は、今も昔も変わらないとして、その進め方は一人一人に合った進め方を考えるように心がけています。

今後、指導医としてどのような人材を育成したいとお考えですか。

「地頭の鍛えられた人材」を育成したいと思います。すべからく受け身ではなく、自分から進んで考える、いつも疑問文を持ち掘り下げる習慣のある人材です。患者を診ることも応用問題を解くようなところがあります。そのためには単純に知識のみ詰め込んだだけでは解決しません。いつも問題を見つけ、自ら考える習慣を有していないと応用力は身につかないでしょう。自立性と自律性が重要です。積極性が最重要です。そのためには自分なりの規範と動機づけ、健康、体力も必要でしょう。
そこから気配りや、思いやり、精神力なども紐づいて人格を育んでくれるものと信じています。

当地域医療支援センターの指導医招へい制度を活用しての感想をお聞かせください。

福島医大が中心となってこのような取り組みをされていることを、昨年始めて知りました。福島県の医師不足は他県に比しても深刻です。そのような観点から、本制度は今後、福島県に優秀な医師を集め、福島県の医療にも貢献する人材育成として素晴らしい制度だと感心しています。

福島で働くことに興味を持った方へ一言お願いいたします。

「福島県は医師が不足しています。求められる医師として、一緒に働きましょう!!」

その他 関連して御意見等ありましたらお願いいたします。

県全体で医師増加のための戦略を駆使していることと思います。その内容等について、周知して頂くとともに、関係各位で一人一人が何ができるかを考える機会を設けてみることも名案かと思いました。

※川前金幸先生は、令和5年9月8日救急功労者として総務大臣表彰を受けられました。

地域医療支援センター特任教授 植村 元秀 先生

地域医療支援センター特任教授

植村 元秀先生

勤務先公立岩瀬病院 泌尿器科部長

福島県で勤務するに至った経緯を教えてください。

かつての大震災の際には、研究留学のためのアメリカにいました。
繰り返し流される映像を見て、遠くから涙を流していたことが思い出されます。なにか役立つことができればと、休みをもらって一時帰国することを検討していました。
しかし、それ以上の留学生活を継続できる状況ではなくなったため、その思いはかないませんでした。
その10年後にたまたまこのような福島県での勤務をするという機会を得ましたので、恩返しのつもりでやって参りました。

実際に生活・勤務して、福島はいかがですか。

医療スタッフを含めて多くが優しいかたばかりのように感じています。
これまで雪の降るところに住んだことがないので、冬の生活がどのようなものになるのか怖いです。

今後、指導医としてどのような人材を育成したいとお考えですか。

これまで長い期間大学で勤務していたので、教育の大切さや責任を痛感しています。
後進の指導、育成は伝統技能と同じく重要であり、さらに更なる後輩を指導するための姿勢と心意気を身に付けてもらえる教育をしたいと思っています。
自分自身が研修医だったときの気持ちを可能な限り振り返りながら、指導医としての職務を全うしたいと思っています。

地域医療支援センターの指導医招へい制度を活用しての感想をお聞かせください。

研究費の補助もあり、少しでも環境を整えてあげようというスタンスが感じ取れます。
当然、これから赴任される方にとっても魅力的な制度と思いますので、続けてもらえると嬉しいです。
しかし、県外からの医師の獲得は容易なことではないと思われますので、県外在住の福島県出身者に対して積極的なアプローチをされるのがいいのかなと思います。

地域医療支援センター特任教授 古田 実 先生

地域医療支援センター特任教授

古田 実先生

勤務先相馬中央病院 副院長兼眼科部長

福島県で勤務するに至った経緯を教えてください。

29年間福島県内で診療をした後、2020年に千葉の東京女子医科大学八千代医療センターに移りました。
しかし、コロナ禍もあいまって目指していた診療環境を構築できず、お世話になった福島の眼科勤務医が少ない地域で地域に根ざした医療をすることにしました。

実際に生活・勤務して、福島はいかがですか。

院内の環境はとても良く、小さな病院なのに東京大学や東北大学出身の先生が何人もいることに驚きました。この病院での研究を英語の査読付雑誌に投稿される先生もいます。
現在は仙台から通勤しています。高速道路を使って1時間程度で、運転には慣れましたが、自動運転の進歩に期待しています。

今後、指導医としてどのような人材を育成したいとお考えですか。

(モチベーションとしてですが、)広い知識を若いうちから持つことよりも、よりどころとなる強みから知識を広げ、⼀⽣かけて全体をカ バーすることを⽬標としたほうが楽しいのではないかと思います。 そのような過程を経て地域で活躍しているベテランの先⽣は⽣き⽣きされています。
⼀⽣楽しく診療するためにどうすれば良いか考える機会を提供できればと思います。

地域医療支援センターの指導医招へい制度を活用しての感想をお聞かせください。

これまで、准教授という職位で長く大学病院で勤務しました。
相馬の小さな病院で地域医療に従事することを考えましたが、多施設共同研究や日本眼腫瘍学会理事長の継続ができるかどうかが正直なところ心配でした。
地域医療支援センターで特任教授という職位をいただけたことはとても大きいです。
現在は週一回大学病院で特殊外来をしながら、普段は地域医療に没頭しています。
臨床指導医資格をお持ちの先生が、今の職責や専門性を維持しながら地域医療に従事する勤務医になるためのとても良い制度だと実感しています。全国どこからの転入も積極的に受け付けています。

福島で働くことに興味を持った方へ一言お願いします。

県外にいらっしゃる臨床指導医資格を持つ先生、特に教授にならずに大学に長く勤めてしまった先生へ、福島県はとても広く、全ての科で勤務医が不足しています。
先生のスキルを県内の市中病院で生かしながら、若手の育成や研究の継続をしてみませんか。
大学のアカウントが頂けるので、図書館サービスも全てオンラインで使えます。是非ご活用ください。

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